平成日本の歴史

使えない欲がない「ゆとり世代」の謎。本当は優秀?なぜこうなったの?その理由は

ゆとり世代の「偉人」たち!ゆとりバッシングの真実とは

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ここでふと、そもそも論の疑問にぶつかります。そもそもゆとり世代は本当に無能なのでしょうか?世間の評判と事実が食い違っていることはママあることですが、「ゆとり」の評判は散々なのに対し、データや実績は見事なものです。あれ?何がどうなっているのでしょうか。天才の百花繚乱なゆとり世代。ゆとりバッシングのウソに迫ります。

枚挙にいとまがない!ゆとり世代は天才ばかり

フィギュアスケートの羽生結弦選手、浅田真央選手。野球の大谷亮平選手。天才棋士・藤井聡太7段。またゆとり世代の9歳が超難関の英検1級に合格、10歳が漢字検定1級に合格、気象予報士資格に12歳が合格。プログラミング言語「Ruby」を開発した天才プログラマー・福森匠大さんが開発コミュニティのコアメンバーになったのは14歳のとき。さらにはゆとり教育で導入された「ディベート」の世界大会である国連ディベート大会で女子高生2人が最優秀賞を受賞しています。 

いまだかつて、単独で発揮する才能を活かす分野において若い世代が花開く、こんな百花繚乱の時代があったでしょうか。昭和、つまりゆとり以前の日本は団体競技の社会でした。会社や組織に所属し、それに従属することで生き延びてきたのです。

しかし「自分で考え行動する」ことを叩き込まれたゆとり世代は、チームワークだけではなくスタンドプレーにも長けているのですね。また少年犯罪率は、ピーク時と比べて4分の1に低下(いじめで被害届が出せるようになったのが最近だからということもありますが)。あれ?本当にゆとり世代って「使えない」んでしょうか?

そもそも、ゆとり世代は本当に「ゆとっている」のか?

最後に身もふたもない話をしましょう。ゆとり世代は優秀だ、という話です。理念がどうであろうと、学力改善が「ゆとり」の大きな目的でした。平成17年度(2005年)の文部科学省の調査で、小中高生すべてにおいて学力が「やや向上している」「向上している」というデータが出ました。また、国際学力テスト(PISA)で、読解力科学リテラシーでOECD1位を叩き出しています。これは1996年生まれの生徒で、彼らは9年間をゆとり教育に染まった堂々のゆとり世代です。

マスコミはこの情報を黙殺しています。実際には活躍する若者世代がたくさんいるというのに、おかしな話です。「ゆとり世代は使えない」という情報がデマだとしたら、こんなにバカバカしい話もありませんね。データとしても実績としても、ゆとり世代は優秀なのでは?

「ゆとり教育」を決定した当時の有権者が「自分や会社の思い通りにならない」という理由もあるのでしょうが、扇情的な報道のマスコミに便乗して次世代の若者を叩くというのは、それこそ大人げない気もするのですが……。こんな大人にはならない!と、ゆとり世代自身も責任感を持った見解を持っておきたいですね。

脱ゆとり!これから、日本はどうなるのか

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ゆとり世代の最大の長所は組織において発揮されるものではありません。自分で考え行動することを教え込まれた、ゆとり世代。それこそ「自分で考えて行動した結果、子供たちにゆとり教育を施すことにした」当時の有権者は責任の気持ちを持って、結果を受け入れてほしいものです。いまやゆとり世代の多くが人の親になっている年齢。ゆとり世代の後の世代は「さとり世代」「脱ゆとり世代」とシフトしていきます。これから日本はどうなるのでしょうか。

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