胸躍る冒険物語「シンドバッドの冒険」
こちらも大人気の物語。「千夜一夜物語」の中でも、第290夜から第315夜まで、数回に分けて語られている、長編冒険物語です。
昔々、とある国に、荷物運びの仕事をしているシンドバッドという若者がいました。
あるとき、シンドバッドは「冒険に出よう」と思い立ちます。荷物をまとめ、船に乗り込み、大海原へ。様々な困難にあいながら、シンドバッドは大きく成長していきます。
船が難破して無人島に流れ着いたり、島だと思っていたらそれは巨大な鯨の背中だったり、凶暴な大蛇や怪物たちと遭遇し、知恵をしぼって退治したり。巨大な鳥に教われたり。不気味な村に迷い込んだり、宝物を見つけて持ち帰ったこともありました。
シンドバッドは世界中を旅して巡り、知恵と勇気でピンチを切り抜け、27年間もの間、冒険を続けます。
「千夜一夜物語」で語られている冒険は全部で7つ(7夜)。中でも、巨大鳥ロクが登場する二番目の冒険は有名で、アニメや舞台の題材としてたびたび形になっています。
王様の心を動かした~世界中の子供たちから愛される「千夜一夜物語」
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近年の研究では、私たちがよく知る「アラジンと魔法のランプ」や「アリババと40人の盗賊」などは、後々追加されたものであり、もともとの「千夜一夜物語」とは関係がないのでは、とも言われています。だとしても、古くから語り継がれてきた名作ばかり。後世の創作だったとしても、多くの人に愛される物語であることに違いありません。妻に裏切られ、心を閉ざしてしまった王様を魅了した物語の数々。アラジンやアリババ、シンドバッドが今も多くの人に愛され続けている理由がわかるような気がします。
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