日本の歴史

芥川賞と直木賞の違いって?日本で一番偉い(?)文学賞の歴史、受賞作から傾向まで解説

直木賞作家は、おもしろい?

結論から言うと、直木賞は「それなりの確立で、面白いものが多い」です。これには、すでに出版部数や受賞数で結果を出している小説家が候補者にピックアップされるという事情が大きいでしょう。この点は芥川賞とは別の趣ですね。

もう多くの人がなんとなく感じていることかとは思いますが、商業的にすでに結果を出している作家だからといって、すごく面白いわけではありません。それでも、売れる運も受賞する運も実力の内、ということでしょうか。しかし小松左京など名だたるSF作家も、数々の大ヒットを飛ばすライトノベル作家も受賞していない直木賞。多数のジャンルや作家を網羅して把握し、同じ天秤に乗せるのは難しいのでしょうか……?

芥川賞も直木賞も、選考委員は事実上「終身制」。その弊害は、イマドキの文壇潮流を機敏にアンテナを広げてとらえることが難しいこと。また2000年代から約20年間は「該当作品なし」がなく、毎年誰かが受賞している状態。「いま、この作家が流行っているんだな」という目安として直木賞の結果をながめると良いかもしれませんね。

芥川賞も直木賞も、絶対的権威ではない……?

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日本の本屋にとって最大のイベントである芥川賞・直木賞の授賞式。受賞作は毎回すぐさまブックオフにずらりと並びます。芥川賞にスター性と話題性が求められたり、直木賞にある程度ジャンルや受賞条件の偏りがあったり。筆者はそこまで権威と内容が釣りあった賞ではない気がしているのですが……。それでも、受賞する運も技術も実力のうちです。「なるほど、こうきたか」そう思いながら受賞作を楽しむのもアリかもしれませんね。

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