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古代ギリシャの戦い「トロイア戦争」とは?トロイの木馬は実在した?わかりやすく解説

軍配はどちらに?トロイア戦争の結果とその後

トロイア市民たちは勝利に浮かれて宴を始め、酔いつぶれて寝てしまいます。満を持して木馬の外に飛び出したギリシャ兵たち。城内で暴れまわり、外で待機していた見方に合図を送って総攻撃をかけます。

酔いつぶれていたトロイア兵たちは反撃することもできず、トロイアは一夜のうちに陥落してしまったのです。

かくしてトロイアは滅亡。ギリシャは勝利をおさめることができました。

勝利をおさめた後、ギリシャ軍はどうなったのでしょう。トロイアは?パリス王子は?生きていたのでしょうか。

ホメロスが描いた抒情詩『イリアス』は、アキレウスとヘクトルの一騎打ちのあたりで終わっています。ほかにも、トロイア戦争について記した抒情詩がいくつか存在しており、それらによると、勝利したギリシャ軍も悠々凱旋とはいかず、悲惨な末路を辿ったと伝わっているのだそうです。

最後に、トロイア戦争の突端となったパリス王子とヘレネはどうなったのでしょう。

ヘレネは、トロイの木馬の中に潜んでいてトロイア陥落の前線にいたメネラオスに捉えられ、スパルタに連れ戻されたと伝わっています。メネラオスはヘレネを憎みましたが、愛が勝って殺せなかったのかもしれません。

ではパリスは?悲惨な末路が待っていました。

パリスはトロイアが落ちた時、毒矢を受けて瀕死の重傷を負います。そしてこの傷を治せるのは、この世でただ一人。ヘレネと結婚するために捨てた元妻・オイノネ。パリスはなんと、結婚していたのです。

奥さんがいるのにどうして美女をねだったのか?権力か武力を望んでいればよかったのに!まったく信じられません。

パリスはオイノネを探し、傷を治してくれるよう頼みますが、自分を捨てた男を助けるはずもありません。哀れパリスはオイノネに見捨てられ、命を落としてしまうのです。

トロイア戦争は史実か?シュリーマンの見解とは

トロイア戦争に関する文献は数多く残されていますが、近年まで、あくまで神話の中の話であると考えられていました。『イリアス』に登場する都市トロイアも架空のものであると考えられていたようです。

19世紀末、ドイツの考古学者であり実業家でもあったハインリヒ・シュリーマンが、トロイアの遺跡を発見します。シュリーマンはホメロスの『イリアス』に深い関心を抱いており、トロイアの発掘調査に情熱を注いでいたことは周知の話です。

シュリーマンによって、トロイアの地に古代都市があったことは証明されました。

しかし、トロイア戦争そのものが史実であるかどうかについては、まだ結論は出ていません。やはりすべて神話の中だけの話であるという説もあれば、発見された古代都市でトロイア戦争が実際に起きたと見る説も、トロイアは実在したが戦争はなく都市はほかの理由で滅亡したのであろうという説もあるそうです。

トロイア戦争は史実なのか、トロイの木馬は実在したのか、明かされる日は来るのでしょうか。

きっかけは愛?それともプライド?激戦・トロイア戦争

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2004年に公開された『トロイ』という映画では、ブラッド・ピットがアキレスを、エリック・バナがヘクトルを、オーランド・ブルームがパリスを演じて大変話題になりました。映画では神話の世界の話ではなく、古代の世界の人間たちのドラマとして描かれており、アキレスを絶対的な英雄ではなく、失敗したり後悔したり普通の人間として登場。終始イラっとさせられっぱなしのへなちょこなオーランド・ブルームも新鮮で魅力的です。実際の『イリアス』とは異なるところも多いようですが、木馬が登場するシーンは見ごたえあり。機会があったら是非、ご覧になってみてください。

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