フランスヨーロッパの歴史

ヨーロッパを巻き込んだ大戦争「ナポレオン戦争」をわかりやすく解説!

イギリス

ナポレオン戦争の勝者であるイギリスはケープ植民地などの海外領土を獲得し、植民地貿易の体制を完全に整えることになります。

これによってこれまでフランスが中心であったヨーロッパの構造が一気に代わり、産業革命を成し遂げたイギリスが19世紀の覇権を握っていくのでした。

ドイツ

元々神聖ローマ帝国内で分裂していたドイツはナポレオンの侵略によって神聖ローマ帝国が崩壊したことによって民族主義運動が高まっていき最終的にはナポレオンが失脚した後にドイツ連邦が結成されドイツの統一に向かっていくことになります。

しかし、そのドイツの統一の問題でプロイセンとオーストリアが対立。最終的にはプロイセンが普墺戦争で勝利したことによってドイツ統一を成し遂げることになるのですが、ドイツにとってもナポレオン戦争は重要な出来事の一つだったのです。

ヨーロッパ全体

各国の利害が混ざりあったことで混乱が生じていたウィーン会議は、ナポレオンがエルバ島を脱出すると各国の妥協が成立し1815年6月にウィーン議定書が合意されヨーロッパは復古主義・正統主義を原理とするウィーン体制下に置かれることになりました。

しかし、長年続いたナポレオン戦争の過程で、フランス革命の最大の目的であった民主主義や近代法や特権階級の廃止などの理念が中央ヨーロッパやアメリカなどに広がっていき、ヨーロッパでは1848年革命の思想的基盤に、そしてアジアやアメリカ大陸などではこの理念が植民地からの脱却の理念となっていくのです。

ナポレオンが成し遂げようとしたことがのちの世界の構造を大きく変えるきっかけにもなったのでした。

ナポレオン戦争はヨーロッパの構造を大きく変える戦争であった

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ナポレオン戦争は結局ウィーン体制という形で復古的な政権に戻ることになりましたが、そのナポレオンの理念はヨーロッパに広がりこれまでの封建制から主権国家体制へのシフトチェンジに大きく貢献することになります。

ナポレオンはまさしくヨーロッパの歴史を語る上では外せない人物だったのですね。

 

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