ヨーロッパの歴史

国際連合と国際連盟の違いとは?「国連」といったらどっちのこと?

国際連合の活動内容とは?

国際連合はいくつかの機関によって形成されています。まず6つの主要機関。そして、さまざまな種類の問題に対応するため、多数の補助機関・専門機関が紐づいているのです。

主要機関とは「総会」「安全保障理事会」「経済社会理事会」「信託統治理事会」「国際司法裁判所」「事務局」の6つ。「安全保障理事会」はよくニュースなどで耳にする名称ですが、常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)と、総会で選出された10か国(非常任理事国)で構成されています。

安全保障理事会は、国連の主要組織の中でも最も重要な組織・世界の安全保障を維持するための最高意思決定機関。ここには「大国一致の原則」、つまり大国(常任理事国)5か国すべての同意がなければ議案が否決されるという考え方が働いています。これは国連が、大国同士の衝突の場となることを避けるためのものなのだそうです。

安全保障理事会のほかにも、全加盟国が1票を投じる形で議論に参加する「総会」も、大きな影響力を持つ機関。さらに、経済、司法にまつわる国際問題を審議する「経済社会理事会」「国際司法裁判所」など各機関が機能し、国際問題の解決に日々活動が続けられています。

「国際連盟」と「国際連合」の違いは?

最後に、「国際連盟」と「国際連合」の違いについてまとめました。どちらも「国際平和機構」であり「国際平和と安全の維持」が大きな目的となっていますが、大きな違いは以下の通りです。

【設立】
国際連盟:第一次世界大戦後の1920年
国際連合:第二次世界大戦後の1945年

【解散】
国際連盟:1946年
国際連合:継続中

【原加盟国(設立当初からの加盟国)】
国際連盟:イギリス、フランス、日本、イタリアなど42か国
国際連合:アメリカ、ソ連、中国など51か国

【加盟国について】
国際連盟:アメリカは不参加。ソ連は1934年に加盟
国際連合:設立当初からアメリカ、ソ連、中国など大国が加盟

【採択方法】
国際連盟:参加国の全員一致による採決が基本(時間がかかりすぎる!)
国際連合:常任理事国5か国と、非常任理事国10か国中4か国の賛成によって採決

未来に語り継ぎたい~「国際連盟」から誕生した「国際連合」

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人間ひとりひとりが顔を合わせて話をする分には、国籍も肌の色も宗教もないものだと思いますが、異なる文化や歴史を持つ国と国との間となると、さまざまな事情があって軋轢が生じることもある……。何事も、一朝一夕にはいかないものなのかもしれません。国際連盟や国際連合の歴史から大切なことを学んておきたい、未来に語り継ぎたい。改めてそう感じました。

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