インド神話とは?起源・世界観・仏教とのつながりについて
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有名な神様が数多く登場するインド神話ですが、いつ頃からどのようにして広まっていったのでしょうか。遡ると、文字による記録のない先史時代まで遡ることができるようです。簡単ではありますが、インド神話の歴史を駆け足で見ていきましょう。
仏教とつながりがあるの?インド神話とは何か
インド神話とは、インドに古くから伝わる神話。特に、バラモン教、ヒンドゥー教、仏教に伝わるものを「インド神話」と呼んでいます。古いものは紀元前1000年頃には確立していたと考えられていますが、様々な神話が伝わっており、起源をはっきりと定義することは難しいようです。
日本神話と同じく、インドの神話も多神教であり、自然現象に基づくものが多い。インド神話には実にたくさんの神様が登場します。
国土も広く、長い長い歴史を持つインド。数ある神話は主に、ヴェーダ神話、叙事詩・プラーナ神話、ブラーフマナ・ウパニシャッド神話の3つに分けて考察することが多いようです。
いかに、3つのインド神話の種類について簡単に解説します。
3000年もの歴史を持つ壮大な神話「ヴェーダ神話」
ヴェーダ神話とはヴェーダに基づいた神話のこと。ヴェーダとは、紀元前1000年頃からおよそ500年ほどかけて編纂されたインドの宗教文書のことです。膨大な文書の集まりで、その多くは神に捧げる儀式や祭式の方法や哲学問答のようなもの。「ヴェーダ」とは「知る」という意味のサンスクリット語がもとになっているといわれています。
ヴェーダ神話に登場する神々は、デーヴァ神族とアスラ神族に分類されるのだそうです。デーヴァは神のことであり、デーヴァのことを天部や天、天神などといい、デーヴァが住む世界のことを天、天界、天道、天上界と表現します。
帝釈天の名で知られるインドラや、火の神アグニはデーヴァの神々です。
アスラ神族は絶大な力を持って人々に罰を下す神々として描かれることが多く、死者やをさばいたり、巨大な魔物たちと結び付けられたりすることも。ヴァルナやミトラといった神様がよく知られています。
ヒンドゥー教に伝わる巨編「叙事詩・プラーナ神話」
プラーナとは「古譚」「古伝」という意味の言葉。ヒンドゥー教の聖典文献であり、宇宙の創造や破壊、再生、神々の系譜、自分たちの祖先の歴史、多くの神話伝説を含みます。
さらに、「マハーバーラタ」と「ラーマーヤナ」という2つの巨編叙情詩にも、数多くの神話・伝説があり、長い期間をかけて編纂されていきました。これら膨大な書物も、インド神話のもとになっているのです。
最も有名な神々として、創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァの三神一体の最高神の名前を挙げることができます。この三神はほかの神話にもたびたび登場しますが、神話によって多少、病者の仕方に違いがあるようです。
究極の創造神話「ブラーフマナ・ウパニシャッド神話」
ブラーフマナはヴェーダに付随する説明文書のようなもので、紀元前1000年から紀元前600年頃に編纂されたものと考えられています。主に祭式など重要な部分の説明や解釈が書かれており、多くの神話伝説が見られる膨大な文献です。
ウパニシャッドもヴェーダの関連書物とされています。これも200以上にもなる膨大な書物で、紀元前6世紀頃から中世に入ってから書かれたものまで、長い期間をかけてまとめられたもの。
創造神プラジャーパティによる創造神話や、宇宙の根本原理ブラフマンを人格化した神・ブラフマーによる宇宙創造など、スケールの大きな神話が数多くおさめられています。
スケール桁違い!インド神話に登場する神様は強くてカッコイイ!
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インド神話はとにかく文献の数が多い!これだけ長い期間かけて編纂されているなら、どこかで「まとめよう」という人が出てきてもよさそうなものですが、まとめるどころか増える一方。神様の数も描写も限りなく広がっていき、世界を一瞬にして破壊してしまうほどの強大な力を持つ神様が、次から次へとこれでもかと登場します。実は夜叉も閻魔も弁財天もインドの神様。全部ご紹介したいところなのですが、今回は特に人気の高い神様を、ほんの一部ですがご紹介します。
神々の中の帝王・インドラ(帝釈天)
古い時代のヴェーダのひとつ「リグ・ヴェーダ」に最も多く登場する中心的な神であり、「ラーマーヤナ」では天空の神として登場する、神々の中の帝王。それがインドラです。
仏教の世界では「帝釈天(たいしゃくてん)」という名前で登場。日本でもなじみの深い神様です。
全身茶褐色の皮膚、アイラーヴァタという聖獣(象)にまたがり、二本の槍を手にしています。
雷などの自然現象と結び付けられることも多く、しばしば雷神として描かれることも。軍神や英雄神として、人々を苦しめる凶悪な魔物たちと勇敢に戦う姿も数多く見られます。