豆知識・雑学

ご存知でしたか?ワンコのふしぎ~犬の雑学あれこれ~

眼からウロコ!犬の水の飲み方

人間の場合、水を飲む時には息を止めて飲みますよね?これは気道に蓋をして肺に水が入らないようにしているからです。しかし犬の場合は気道が喉のずっと奥の方にあるので、気道を塞ぐ必要がありません。ですから呼吸しながら水を飲んでいるということになります。だから長時間でもずっと飲んでいられるんですね。

ちなみに従来の定説では、犬は舌を巻きこむようにして、まるで柄杓ですくうように水を飲んでいるといわれてきました。しかし、ハーバード大のアルフレッド・クロンプトン名誉教授の研究によって、その定説は覆りつつあります。そうではなくて舌の裏側に水をくっつけて、引き上げるタイミングで水柱状になった水を上あごに押し当てて飲んでいるそうです。また口に入れた水を一度には飲み込まず、何度かに分けて喉の奥へ送り出しているということもわかりました。

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犬の排せつについての雑学

あまりキレイな話ではないのですが、犬が排せつする際にする仕草にも色々な意味があります。散歩へ連れて行ってウンチをする際に、犬が何やらクルクル回ったりしているのを見たことはありませんか?あれはウンチするためにキレイな場所を探しているわけではありません。犬の古来からの習性で、外敵から身を守るために周囲を警戒しているサインなのです。排せつしている時ほど無防備な瞬間はありませんからね。

また、ウンチをする際にお尻にある肛門腺から分泌液を出します。これはスカンクなどと同じように、驚いた時や不安に感じる時などに強く出るのですが、中型犬や小型犬の場合はなかなかウンチと共に排出されず、溜まってしまう傾向にあるのです。ですから人為的に出してあげるしかありません。匂いもなかなか強烈で、干物やくさやのような独特の臭気があるので厄介なもの。慣れた飼い主さんなら自分でやることもあるのですが、どうしてもお尻を触られるのを嫌がるワンコもいるため、無理せず動物病院やペットサロンでお願いすることもアリですね。

ちなみに犬のマーキングに関してですが、オスだけがするものと思っている方も多いのでは?実はメスだってマーキングをします。発情期にはオスを引き付けるフェロモンも含まれるので、わざわざ他のメスワンコがマーキングした上から上書きするかのように行う場合も多いのです。まるでオシッコを小分けにするかのように違う場所で何度もするようなら、それはマーキングのサインになるのですね。

犬と人間に関するふしぎ

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今度は、犬と人との関わり合いについてみていきましょう。古来から飼われてきた犬にとって人間とは特別な存在であるのはたしかなこと。人と接する中で、犬たちはどのような思いや感情をもっているのでしょうか。

犬の記憶の秘密とは

猫は「三日経ったら恩を忘れる」なんて言われていますが、果たして犬の場合はどうなのでしょうか?実は犬というのは感覚で生きているといっても過言ではない存在で、記憶の根底にあるものは【感覚】【連想】なのですね。

たとえば犬と一緒にドライブしていて、人は車窓を流れるキレイな景色をずっと覚えているのに、犬はほんの一瞬で忘れてしまいます。人間の3歳児程度の知能しかないと言ってしまえばそれまでですが、犬は「キレイ」だという感覚がそもそもありません。実は最も長く記憶として残るのは「自分にとって良いこと、うれしいこと」だと表現しても良いでしょう。

例えば、飼い主のことをずっと覚えているのは「遊んでくれて、散歩に一緒に行ってくれて、ご飯もくれる優しい存在」だと認識しているからです。オテやオスワリなどの芸を覚えるのも、ちゃんとできたらオヤツがもらえるからであり、飼い主さんの姿や声、匂いなどで「自分にとっての良いこと」を連想しているのですね。

ちなみに躾(しつけ)にしても同様のことが言えて、犬がやってはダメなことをした場合に、その1分後に飼い主さんが怒っても効果はありません。だって、その頃にはもう忘れているので。ですからダメなことをしたらすぐに叱るようにしてください。そうすることで自分のやったダメな行為と飼い主さんの声が記憶としてリンクし、ダメなことだと連想できるからです。

褒める時も同様ですね。直後に褒めてあげることで「行動」「褒められた事実」が連想記憶として残ります。

我が強い飼い犬の対処法

負けん気が強くて我も強いワンコって意外と多いですよね。洋犬ではあまり聞かないのですが、やはり柴犬を筆頭とした日本犬の場合は縄張り意識も強く、少しでもテリトリーに入ったら飼い主に対しても怒るし、下手すると噛みついてきます。さらに厄介なのが室内飼いの場合に、靴下やハンカチなど、とにかく咥えては自分のものにしようとすること。きっとお困りの飼い主さんも多いはずですよね。

日本犬はオオカミからの直系子孫でもあるので、元来狩猟本能が強く、縄張り意識も強いため躾の仕方を間違えると厄介なことになります。そのへんは飼い主さんの根気も求められるところなのですが、もし大事にしていたハンカチを咥えられた時にどうやって取り返しますか?強引に取り上げようとしても本気噛みされるだけ。オヤツで引き付けておいて、その隙に取り上げようとしてもタイミングを間違うと噛まれる危険性は同じこと。

柴犬を飼っている我が家では、こんな方法を使っています。まずはオヤツを使って何としてでも浴室へ誘導し、入ったところを見計らって温水をパシャパシャ掛けてあげましょう。(特に首筋が有効)犬は必ず首をブルブルッと振りますので、その隙に取り上げるという感じ。ブルブル(柴犬でいう柴ドリルというやつ)の時間は意外に長くて2秒ほど全身を振りますから、取り上げる余裕はあるはずです。取り上げた後はちゃんと褒めてあげてくださいね。

様々な分野で活躍する犬たち

人間と犬との関わり合いが深まるにつれて、犬に関する知識もネットやメディアを通じて世間に広まり、犬自身も本来の愛玩目的や番犬としてだけでなく、様々な分野で活躍するようになってきましたね。一般的に知られているところでは盲導犬や介助犬、警察犬や救助犬、さらにはセラピードッグなど。また高齢化社会に伴って、国内でも保護犬たちをセラピードッグとして導入する老人介護施設も増えていますし、そのことによって高齢者の楽しみや生きがいになっていることも事実です。

海外ではもっと進んでいて、なんと犬の肺を高酸素液で満たし、長時間潜水できることに成功しています。ロシア職業病医学研究所が進めている研究では、犬は水深500メートルの深さの中で30分間無呼吸で活動できるとのこと。将来的には、潜水艦や沈没船の救難に活用できるのでは。ということです。

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明石則実