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内向型は悪いことじゃない?カール・グスタフ・ユングによる性格類型論と心理学

自分とはいったい何者なのか?自分の性格は?…このような関心はどんな人にも多かれ少なかれあるものでしょう。フロイトの弟子で、「分析心理学」を創始したカール・グスタフ・ユング。彼は、「分析心理学」という学問分野を創始し、今の性格論をかたちづくった人です。今や本やネット上にあふれる人気の豆知識的な性格診断関連などでは、ユングの理論が元になっているものが少なくありません。それでは、性格類型論と呼ばれるユングの理論をみていきます。

まずはおさらい!ユングの人生について

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カール・グスタフ・ユングは、スイスで生まれました。彼は幼いころから学生時代にかけて、自分の内面について好奇心を持ち、当時すでに心理学者としての萌芽がありました。チューリヒ大学に進んだユングにとって人生の大きな転換点となる出会いは、やはりジークムント・フロイト※1との出会いでしょう。2人は共通点を得て意気投合し、しばしの間ユングはフロイトの弟子として研究者活動を行います。

しかし、「無意識」をどう扱うかをめぐって、執事していたフロイトと対立。やがて2人は袂を分かつことになりました。そして、その後は独自の心理学に打ち込み、その新しい1ページを開くことになります。

※1  ジークムント・フロイト…精神分析学の開始者。無意識の解明などの尽力。その考え方は、心理学だけでなく現代思想にも広く影響を及ぼしました。

ユングとフロイトの違い

ユングとフロイトの違い、それはとりわけ人間の無意識にある「リビドー※2」に関する考え方の違いにありました。フロイトは、リビドーについて性的衝動以上のものとは考えませんでしたが、ユングにとってそれは十分なものとは言えないと映ったようです。

また「夢」をめぐっても2人の理解するところは異なりました。フロイトは、「夢」を日常のなかで抑圧されている何かが現れたものと定義しましたが、ユングは、「夢」とは、自分にとって未知なるものを教えてくれるものだと定義したのです。

※2  リビドー…一般的には押さえられない性的な衝動の意で使われますが、ユングはそれを「すべての本能のエネルギー」ととらえ直しました。

ユングの性格類型論について

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それでは、ここからユングの心理学の一つ…性格類型論についてみていきましょう。

まずユングは、人間の自我を「外向型」と「内向型」に区別・比較しています。このような分け方は、現代では通俗的に行われていることですので、知っている方も多いことでしょう。ただ問題なのは、それぞれの「評価」についてです。

関心が周囲の環境に向かう「外向型」

外向型は、「積極的でコミュニケーション能力が高い」といったようなイメージでとらえられることもありますが、必ずしも本来はそういった意味ではありません。ではどんなタイプかと言えば、自分の関心が自分の外の世界に向いている人という意味…ただそれだけなのです。

外の世界に関心が向けば、対外的な交流は活発になります。そしてこれは、確かに現代社会で求められがちな能力であり、その意味で外向型の人々は得をしていると言えるでしょう。しかし、対外的なものに依存するあまり、自分の「個」を確立できないという問題もはらんでいます。

関心が心の内面に向かう「内向型」

それに対して、内向的なタイプは、関心が自らの心の内面に向かいます。内面に向かうことで、いわゆる社会性という意味では外向型に一歩譲ることになるのですね。ここが内向的なタイプがよく否定されがちなところです。

一方、内向的なタイプは抽象的で深い問題を考えることが得意、集中力が高いといった長所があります。つまり、これらの長所が生かされる場面では、抜きんでた能力が発揮されうるのです。ただ、このようなことが特定の状況に依存してしまうことが、内向的なタイプの評価を難しくしています。

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