オリンピック聖火とは何?リレーはいつ頃始まった?
オリンピックに欠かせないものといえばオリンピック聖火でしょう。大勢の聖火ランナーによってオリンピックの開催地のメインスタジアムまで運ばれ、開会式で聖火台に灯され、開催中勇ましく炎を上げ続ける、まさにオリンピックの象徴です。
オリンピック聖火の原型は、既に古代オリンピックの時代から存在していました。古代ギリシア人にとって、火は神聖なものとされていました。オリュンピア祭開催中はゼウスを崇めるため、神殿に多くの火が灯されたといいます。
ただ、復活した近代オリンピックではしばらくの間、オリンピック会場に聖火は存在していませんでした。1928年のアムステルダム大会のときにスタジアムの設計者が、現在の聖火台のようなものを考え出し、以後の大会でもオリンピック聖火が灯されるようになったのです。
現在のオリンピック聖火は、オリュンピアのヘラの神殿の前で、太陽光線を使って採火されています。厳戒態勢の中、太陽の光を集める凹面鏡にトーチをかざし、聖火が誕生。灯された火は、時には海を渡り何千キロも移動し、開催国を目指すのです。大勢の人の手によって運ばれる聖火リレースタイルは、1936年のベルリン大会から始まりました。
青・黄・黒・緑・赤~オリンピックシンボルはいつ作られた?
オリンピックの象徴といえばもうひとつ、5つの輪が描かれたシンボルマークがありますね。左側から青・黄・黒・緑・赤の輪が少しずつ重なりながらW(ダブリュー)形を描いたマークです。これは近代オリンピックに入ってから考え出されたもので、発案者は近代オリンピック開催を提唱したピエール・ド・クーベルタンといわれています。
制定されたのは1920年。ベルギーのアントワープ大会から掲げられるようになりました。5つの輪はアジア、アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリアの5大陸の結びつきを表しているそうですが、どの色がどの大陸を表すかは特に決まっていないようです。5輪のアイディアは、クーベルタンが四大古代オリンピック大祭の会場のひとつであったデルポイを訪れたとき、祭壇で見た紋章にヒントを得て考えたとされています。
古代から近代・そして未来へ~受け継がれる!オリンピックの伝統
オリンピックは古代ギリシアで行われていたことは何となく知っていましたが、紀元前から1000年以上もの間行われ、その後1500年も行われていなかったと知って大変驚きました。近代オリンピックが復活してまだ1世紀と少し、日本が参加を始めたのが1912年第5回ストックホルム大会からです。歴史は始まったばかり。リオ、東京、北京、パリ、そしてその先の未来へ。費用面など難しい問題もたくさんあるようですが、古代ギリシアの人々に習って1000年未来まで受け継いでほしいものです。