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ここが変だよ!「団塊の世代」金の卵と呼ばれた70代シニアはどんな人生を送ってきたのか?

「金の卵」として、いざ地方から都市へ

中学や高校を卒業したら、地方に生まれた大多数の若い団塊の世代は、労働力として都市部に送られました。まだ初々しい少年少女は「金の卵」と呼ばれます。大ヒットした2017年のNHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』で、主人公の たちが臨時列車にすし詰めになって茨城県北部の田舎から集団就職するシーンがありましたね。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』でも、キーパーソンの少女・六子が零細企業にやってくるところから物語がはじまりました。

金の卵は「若年中卒労働者」とも呼ばれます。義務教育の中学校を卒業したのちに、主に地方から都会にやってきて中小零細企業に勤めた、団塊の世代たち。当時は高等教育にお金を使える地方の家は少なく、働き手として送り出す家が多かったのでした。時代は高度経済成長の大量生産時代に移り、工場も飲食業も接客業も、人手不足だったのです。

東京・大都市部一点集中の人口や産業に、日本の国の形が変わっていきます。団塊の世代は、日本が長年抱えてきた家父長制の家制度、その「次男以降は、長男の扶養のもとで飼い殺し」という光景から脱却したはじめての世代です。

男は仕事、女は家庭!

団塊の世代が育ったのは日本国憲法の世界においてです。つまり「両性の合意により婚姻は成立する」という、恋愛結婚が憲法で認められた日本に産まれ育ったのでした。この世代で、見合い結婚と恋愛結婚の割合は逆転。団塊の世代って、夢と希望がいっぱいにつまった世代だったのですね。

団塊の世代は、男女の就業分担も根強いのが特徴。「男は外でがむしゃらに働き、女は家で専業主婦」という昔ながらの価値観が残っています。ジェンダーに関して平等な考え方が広がり、男女共同参画社会が志されたのは、平成に入って以降のことです。しかしこの「男は仕事、女は家庭」の役割を徹底してきた団塊の世代はやがて、家庭をかえりみなくなったり家族の仲が冷え切ったり、といったことも……。

ちなみに団塊の世代の子どもは、現在42~45歳。就職氷河期や非正規雇用に苦しむアラフォーの「団塊ジュニア世代」と呼ばれます。ワーキングプアやネットカフェ難民という言葉が生まれる中で働き盛りの頃を過ごした団塊の世代の子どもたち。結婚もマイホームも車も遠い、という人も……。価値観どころか世界が完全に違うんですね。

令和時代初期を生きる、団塊の世代の現在

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令和時代。つまりはシニアとなった団塊の世代の人々。「団塊の世代が通ったあとにはぺんぺん草も生えない」と嘆息される、非常にとらえ方の難しい世代です。我が強く、場合によっては話し合いが通じない団塊の世代とどう付き合うのか?トラブルを避けながらも共存していくには?難しいジェネレーションギャップ。年老いた団塊の世代の現在とは、一体。

若い世代とは世界観が違う!終身雇用も年功序列も幻想に

先述したとおり、非常に報われた世代。そもそも世界が違うと考えるしかありません。彼らが育った当時は、親世代における儒教的な価値観も非常に根強く「目上は絶対」論が強力です。しかし団塊の世代よりも後の世代は、終身雇用の崩壊や年功序列信仰もなくなりました。

無意味な精神論や自論を無理に押し通して「近頃の若いものは根性がない」と言う非常に困ったちゃんな団塊の世代は、筆者のまわりにも見受けられます。ネットでささやかれ、また筆者もリアルで感じる団塊の世代の特徴は、我が強くプライドが高く、自分の経験にてらして行動を起こす傾向にあるシニアたち。正直に言ってあつかいが非常に難しい人々です。

ただし多くの団塊の世代の人々が、組織や集団のために貢献していくことに命を燃やした戦士たち。定年退職をし、年金受給者となった団塊の世代のシニアたちは、人生100年時代にどのような充実した余生を送ることができるのか。現代の日本に課せられた大きな課題です。

人生100年時代、団塊の世代に期待される役割は……

これからの社会、労働力不足から団塊の世代が重宝される……ことになるのでしょうか?いえいえ、彼らのスキルはITやAIに代わられることも予想されますし、団塊の世代が職場にいるとトラブルのもとになってかえって困る、という意見も多いのではないでしょうか。

そんな中で注目されるのが、団塊の世代の「消費者層」としての存在感です。団塊の世代の退職金の平均額は約2000万円。高額消費の商品やサービス販売、子供・孫世代へのプレゼント需要が見込まれています。資本主義社会は、お金が回ることでみんながハッピーになる社会のシステム。またこれから先は、終活が本格化して相続の手続きや霊園・お墓関係に団塊の世代が費用を使うことにもなりそうです。彼らを活かさないことは、経済の損害になることかもしれませんね。

かと言って「子供世代・孫世代のために金払え」とも言えないですよね。団塊の世代がこれまでの70年間余り、時代的に恵まれているとはいえ仕事や家庭の試練を乗り越えてきたことは事実です。他の世代が団塊の世代をこころよく思わまい理由の1つが、その受けた恩恵を独り占めにしているように感じること。どうか人生の先輩として、若者世代もまた気持ちよく過ごせるよう、折り合いをつけていきたいものです。

もはや異世界?団塊の世代が過ごした時代が「変」だった!

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日本の抱える問題なのか、はたまた年金制度の崩壊や少子高齢社会の中での救世主なのか。実際はどちらかというと前者なのでしょうか?年長者が何が何でもエラく、上司や目上の人間に従うべき、という時代は終わりました。その価値観が抜けきらない団塊の世代が、生きやすく、楽しく余生を暮らすためには若者世代との共存をどのようにしていくのか、これから試されていくことになります。

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