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イタイイタイ病とは?発生の背景と原因をわかりやすく解説

環境基本法の制定と環境省の設置

1990年代に入ると、地球規模の環境問題が議論され始めます。それまでは公害対策基本法で公害問題を扱い、自然環境保全法で自然環境の保護を進めていましたが両法を改正・統合する必要性が出てきていました。

1993年、両法を統合する環境基本法を制定。国民の健康で文化的な生活の確保という理念や典型7公害の防止は公害対策基本法の理念を引き継ぎます。それに加えて、将来に向けて私たちの子孫に豊かな環境を残すことや環境負荷が少なく、無理のない経済発展をする持続的発展を目指すことなども定められました。

また、地球環境を守るため国際的な協調を積極的に推進することなども加えられます。一方、環境庁は国務大臣を長とする環境省へと昇格。このことは現代の政策において、環境問題が避けては通れない課題となっていることを象徴していますね。

イタイイタイ病の教訓を生かすためには

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イタイイタイ病は流域の多くの人々の命を奪い、想像をはるかに超える痛みを患者に与えました。これは、水俣病や新潟水俣病、四日市ぜんそくにおいても同様です。企業利益や国の利益を優先するあまり、住民の健康が損なわれてしまうという構図は4大公害に共通するものでした。高度経済成長のまばゆい光だけを見るのではなく、強い光がもたらした公害という影も忘れてはならないのです。

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