日本の歴史

月の和名をご紹介~由来と異名を知って日本の心を感じよう~

1年には、12か月あり、順番に1月、2月…と呼んでいますが、睦月、如月…と別の呼び方もありますよね。そういえば学校の授業で昔習ったかも…という方も多いはず。弥生や皐月などは、女の子の名前にも使われていたりと、私たちに馴染みのある言葉です。この記事では、それぞれの月の和名とその由来についてお伝えしていきますね。

和風月名の由来と異名を見ていこう

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睦月、如月などの呼び方は、「和風月名」と呼ばれ、旧暦で使用されていたものです。旧暦とは、現在の暦として採用されているグレゴリオ暦に対して使われるものであり、日本では天保暦と呼ばれる太陰暦がそれにあたるんですね。

現在のグレゴリオ暦が太陽暦という、地球が太陽を回る周期を元として作られたものに対し、太陰暦は、月の満ち欠けの周期を元にした暦でした。そのようなもののため、現在の1月と旧暦の1月は若干ズレがあるのですね。そのことも踏まえながら、各月ごとに見ていきましょう。

#1 【睦月】お正月は仲良くみんなでお祝い

1月は睦月(むつき)

「睦」という漢字は、「むつまじい」と読み、仲が良い、親しいという意味。「仲睦まじい」と言ったり、「親睦」などと使われたりしますよね。新年の始まり元旦には、身分や老若男女問わず、親族が集まって仲良くお祝いをすることに由来すると言います。

異名には、初春月(はつはるづき)・子日月(ねのひづき)・太郎月(たろうづき)なども。太郎は現在の男の名前にも使われますが、1番始めという意味なんですよ。

#2 【如月】まだまだ寒い時期は「衣」を「更」に「着」よう

2月は如月(きさらぎ)

中国の異称で、かつて2月を「如月(じょげつ)」と言っていたことに由来します。
または、「衣更着(きさらぎ)」から来ているという説も。旧暦の2月は、現在の2月下旬から4月上旬を指しており、春が来たとはいえまだまだ寒い時期。そのため、「衣(洋服)をさらに着る」ということから、来ているとも言われるんですね。

異名には、うめみづき(梅見月)・ゆききえつき(雪消月)・をぐさおひつき(小草生月)など。いずれも春の訪れを感じさせる、素敵な異名ですね。

#3 【弥生】草木がいよいよ生い茂る時期

3月は弥生(やよい)

女の子で「弥生ちゃん」というと、3月生まれを連想しますよね。さて、弥生とは「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まってできたという説が有力です。「弥」という漢字は、「いよいよ」と読み、木や草がいよいよ生い茂ってくるということなんですね。現在の3月下旬から5月上旬が、旧暦の3月。5月下旬と言えば初夏ですから、新緑の季節に入ってくる頃ですね。

異名には、とうげつ(桃月)・はなみづき(花見月)・ひいなつき(雛月)など。桃の節句、雛祭り、お花見などから連想しやすい異名ですね。

#4 【卯月】可愛らしい白い卯の花が咲く月

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4月は卯月(うづき)

みなさんは、卯の花をご存知ですか。白くて可愛らしい花なのですが、その卯の花が咲く月が略されて卯月となったと言われているんですね。
その他にも諸説あり、旧暦の4月は現在の4月下旬から6月上旬にあたるため、苗を植える月という意味で「植月(うえつき)」に由来するというものや、十二支の4番目の「卯」に由来するというものもあります。

異名には、はなのこりづき(花残月)・なつはづき(夏初月)など。初夏を感じさせるものもあるんですよ。

#5 【皐月】田植えをする旧暦5月

5月は皐月(さつき)

「となりのトトロ」に登場する「メイちゃん」と「サツキちゃん」で覚えた人も多いはず。現在の5月下旬から7月上旬にあたり、田植えをする時期から「早苗月(さなへつき)」と呼ばれ、それが「さつき」になったとされています。

異名には、同様の意味である、いななえづき(稲苗月)・さなえづき(早苗月)の他、異なった漢字をあてた、さつき(早月)さみだれづき(五月雨月)など。5月はすでに梅雨に入ってたため、五月雨という雨を示す呼び名もあるんですね。

#6 【水無月】田植えが終わったら水を張ろう

6月は水無月(みなづき)

漢字を見たままに考えると、水がない月と思われますが、この「無」という漢字は、「ない」という意味ではないのがポイント。単なる助詞の「の」を表す文字で、「水の月」という意味なんですね。旧暦の5月の皐月が田植えをする月で、続く6月は田んぼに水を張る月だったことに由来しています。

時期は、現在の6月下旬から8月初旬。そのため異名には、とこなつづき(常夏月)・せみのはつき(蝉羽月)など夏を連想するようなものも並びます。

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みほこ