日本の歴史

神倭伊波礼毘古こと「神武天皇」の東征伝説を元予備校講師がわかりやすく解説

神武天皇の即位と欠史八代

饒速日命を下した神倭伊波礼毘古は周辺の従わない諸豪族を攻め滅ぼします。その一つが、のちに浮世絵や物語の題材として登場する土蜘蛛です。体が小さく手足が長い人々だと記録されていますね。

神倭伊波礼毘古は土蜘蛛などをすべて一掃しました。反対勢力を倒した神倭伊波礼毘古は畝傍山の東南にある橿原の地に都を定めます。

その後、神倭伊波礼毘古は正式に即位、神武天皇となりました。初めて天皇に即位したという意味で「ハツクニシラススメラミコト」などともよばれます。

神武天皇の後に即位した綏靖天皇、安寧天皇、懿徳天皇、孝昭天皇、孝安天皇、孝霊天皇、孝元天皇、開化天皇の8人は、在位期間が不自然に長く記録がほとんど残っていません。この8人の天皇を「欠史八代」と称します。神武天皇は亡くなると、畝傍山東北陵に葬られました。

神武天皇と后である五十鈴媛を祀る橿原神宮

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明治時代、地元の有志が神武天皇の墓所とされる畝傍山の東麓に神武天皇と后の五十鈴媛を祀る神社を作りたいと申し出、明治天皇が許可しました。これにより、1890年に橿原神宮が創建されます。昭和天皇や明仁上皇も参拝される皇室にとって重要な神社として今でも参詣者が絶えません。現代皇室の祖とされ、東征を成し遂げたとされる神武天皇について、もう少し研究がすすでもよいのではないかと思います。

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