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妊婦の葬式NGは迷信!参列するときの注意事項と必要アイテム

妊娠中に訃報が入りお葬式に行きたい…でも妊婦の参列はダメって聞くけど大丈夫?そう疑問に思う妊婦さんは多いです。妊婦さんがお葬式に出ちゃダメなんて事は全くありませんが、噂があると気になってしまう、又は迷惑が掛かってしまうかもしれない。そんな妊婦さんに、なぜ参列がダメと言われているのか、また参列するときの注意点を、出産直前まで斎場で働いていた元葬祭業者がお教えします。

妊娠中に葬式に出てはいけないという科学的根拠はない!

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筆者が斎場で事務員として働いていたときに、たまにこんな電話での問い合わせがありました。

「妊娠中なんですけど、お通夜には出ても大丈夫ですか?お腹の鏡はどうやって入れるといいですか?」

結論から言うと、体調不良でなく噂が気になるだけでしたらお葬式は出ても全く問題ありません。身体への負担を考えて参列しない方が良い場合はもちろん参列は避けるべきですが、気になるのが迷信だけというのであれば気にする必要は全くありません。

筆者は第一子出産直前まで葬祭業の仕事をしていました。当然職場は斎場、ご遺体は毎日やってきます。それでも筆者の子供は迷信でよく聞く痣(あざ)などはありませんし、当然あの世に連れていかれることもなく普通分娩で何の事故もなく安定した出産をしました。

筆者以外にも先輩事務員で妊婦さんは数人いましたが、誰一人鏡を忍ばせる事もしませんでしたし痣などもありません。何の根拠もない、全くの迷信なのです。

ではなぜそのような迷信があり、いまだに信じている傾向があるのでしょうか。

よくある迷信

よく聞く噂は「お葬式や火葬場に行くとお腹の赤ちゃんをあの世に連れていかれてしまう」と「霊柩車や火事を見ると赤ちゃんに痣ができる」というものです。さらにそれらは「どうしても参列したい場合はお腹に鏡を入れると鏡の力で跳ね返せる」という噂とセットになっています。

筆者も妊娠が分かった時に友人数人から「働くときはお腹に鏡を入れるといいよ」と言われました。しかし筆者は当時その噂を知らなかったので、何のことやらさっぱりで先輩事務員にどういう意味か聞いたことがあります。

何の根拠もない迷信ではありますが、一説ではこれは「大事な体に無理させちゃいけない」という身内の気遣いから生まれたのでしっかり根付いたともいわれているのです。確かにお葬式は妊婦さんにとって容易なものではありません。

何か科学的な根拠があって広がった迷信ではないのですが、どちらもなぜか強く信じられている傾向が強く、葬祭業者によっては親族の中に妊娠中の女性がいた場合、鏡をお腹に入れることをすすめるところもあります。また、マタニティ用のフォーマルドレスには鏡用のポケットがついているものもありますよ。

妊婦が葬式の参列を避けるべきケース

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迷信が気にならなければ妊娠中の女性はみんなお葬式に行けるのかというと、そういう訳ではありません。中には参列は控えるべきな妊婦さんもいます。

でも香典を渡したい、故人に最期に会いたい、悲しんでいる友人に声をかけたい、そう思う人も多いでしょう。これらのことは、お葬式中ではなくても十分可能なんですよ。

まず、香典は現金書留で郵送することができます。故人に会いたいのであればお通夜の前のご安置中に会いに行って少しだけ顔を見せてもらうことも出来るので、そこで香典を渡しても良いでしょう。

直接会いに行けず、遺族と親しいのであれば弔電を贈るというのもおすすめです。メールやLINEでは悲しみを込めた文章でも軽く見えがちになります。弔電ならそれだけでかしこまった雰囲気が出ますし、自分の言葉をそのまま文章に出来るので堅苦しい感じもありません。

そもそもお葬式に参列できない妊婦さんはどんな人なの?と思う人もいるでしょう。以下の場合は特に参列を避けるべきケースなので、ご自分の今の状態と比べてみて下さいね。

つわりなどで体調が優れない

妊娠初期の女性は特に嗅覚が敏感になります。つわりの落ち着いていない女性だと、何がきっかけで吐き気に襲われるか分かりません。

お葬式でにおいの心配をする人は少ないかもしれませんが、斎場は入った瞬間から線香のにおいがする場所がとても多いため、人によっては会場に到着しただけで気分が悪くなる可能性が十分にあります特に儀式中は線香や焼香のにおいが会場中に広がるため、つわり中の女性は避けた方が安全です。

また、つわりはなくても体調が不安定ならやめておいた方がいいでしょう。斎場には基本的に親族の控室と会場となるホールがあるくらいで、体調の優れない人が横になって休めるようなスペースはほとんどありません。

妊娠中でなくとも、体調が万全でない中で1~2時間葬儀に参列しているとだんだん意識が遠くなって救急車で運ばれる人も時々います。少しでも体調に不安がある場合は、参列はやめておきましょう。

妊娠後期でお腹が大きく移動が困難

お腹が大きくなってくると、通常の移動でも負担になる妊婦さんにとって、斎場で葬儀に参列するのは簡単なことではありません。基本的には受付を済ませて椅子に座って参列して帰るだけですが、長時間椅子に座り続けるのはなかなか大変ですよ。

斎場に置かれている椅子は、コンパクトに片づけられるように簡易的な作りになっています。クッション性はありますが、背もたれの角度が直角に近いので座ったときに窮屈に感じるのです。

浅く座ってのけ反るように座ってもいいのですが、前や横との座席の間隔はあまり広くないので今度は足が窮屈に感じます。また、式中に行う焼香が座席で行うお盆タイプの回し焼香の場合は、お腹がつっかえてしまうので介助がないと危険です。キャスター付きの台に乗っているタイプの回し焼香でも、とても窮屈でお腹に圧迫感を感じるため注意が必要ですよ。

妊娠後期はできるだけ参列は控えるのがベターです。

規模が大きく参列者で混雑しそうな葬儀

最近では親族だけで故人を送り出す小規模の家族葬が増えていることと、平日に葬儀があると会社勤めの人は参列できない事が多く、同僚などの訃報は社内の人間のひとりが代表で弔問し、他の人たちは香典だけ預けるということがほとんどなので、大混雑するような葬儀は激減しました。しかし親族以外の人も参列できる一般葬の場合は油断してはいけません。

式前の到着時は混雑の時間を裂けることが可能ですが、帰りはみんな一斉に会場から出るためどうしても混み合います。あまりにもぎゅうぎゅうの状態だとお腹も圧迫されて危険です

会場となる斎場では事前にどのくらいの規模になるか把握しているので、事前に会場に電話をして問い合わせてもいいですよ。私の友人で妊娠中にお通夜に参列した女性は、混雑を避けるためにわざと式が始まってから会場に入りました。実際に従業員としてその現場を見ていましたが、入り口から会場内まで人がいないのでスムーズで、閉式後も最後の方まで会場内に残っていたので人ごみにもまれるという事態は避けることができていました。

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