教養語学豆知識・雑学

実はこんな意味だった!使用するシーンを間違いやすいことわざ5選

先人たちの知恵や教訓が短い言葉に集約されていることわざ。そんなことわざを日常会話で自然に使える人ってかっこいいですよね。そう思って自分でも取り入れてみたはいいものの、間違った使い方をしていたら恥ずかしい思いをしてしまいます。中には間違った意味の方が世間に浸透している、なんてことも。この機会に「間違いやすいことわざ」の本当の意味をぜひ知ってください。使用例とともにご紹介していきます。

正しい意味を知れば理解が深まる!

image by iStockphoto

言葉というのは時代とともに移り変わっていきます。元々誤用であった意味が、正しい意味として辞書に載るなんてこともありますよね。しかし、本来の意味を知ることでその言葉が元々どういう使われ方をしてきたのか、ということを深く理解することができます。

#1 人のためにならない?そんなことはありません!「情けは人の為ならず」

まずは、「情けは人の為ならず」。「人に優しく接すれば、そのことが巡り巡っていずれ自分に良いことをもたらしてくれる」というのが正しい意味。しかし、「人に優しく接するのは、甘やかしてしまうからその人にとって良くない」という誤用の意味で使用している人が少なくないようです。平成22年度の文化庁による世論調査でも、ほとんどの世代で誤用の意味を選択した人の方が多いという結果になりました。私自身も子供の頃は誤用の意味で覚えていたように思います。

この誤用の原因は、文法が少し難しいことにあるようです。「人の為ならず」の「ならず」は、「なり」+「ず」。この「なり」は「本日は晴天なり」が「本日は晴天である」となるように、断定の意味を持っています。よって、「人の為ならず」だと「人の為ではない」という意味に。日本語って難しいですね!

使用例:人に親切にすれば、いずれ自分に返ってくるはず。「情けは人の為ならず」って言うからね。

#2 悪いことばかりが棒ではない!「イヌも歩けば棒に当たる」

「イヌも歩けば棒に当たる」は2つの意味を持つことわざ。悪い意味の「何かしようと動けば、思いもよらない災難に遭うこともある」といったイメージの方が強いのではないでしょうか?しかし、このことわざには「何かしらの行動をすれば、思いもよらない幸運に恵まれることもある」という正反対の意味もあるんです。

そもそも、「当たる」というのはイヌが自分から棒にぶつかっていくわけではなく、棒で叩かれる様子を表しています。江戸時代は犬が放し飼いにされていることが多かったので、その犬が叩かれてしまうこともあったのでしょう。江戸いろはかるたにもこのことわざは採用されており、元々は悪い意味の方で使われていました。「当たる」という語感からなのか、「幸運に当たる」ということで、良い意味のことわざとしても江戸時代には既に使われていたようです。

使用例:「イヌも歩けば棒に当たる」で、懸賞にたくさん応募したら当選した。

#3 孫ではなく、馬子!「馬子にも衣装」

単語の意味を取り違えやすいことわざが、「馬子にも衣装」。「マゴ」という音だけを聞いて、「孫」をイメージしてしまう人も多いようです。「孫のような小さい子供に良い衣装を着せる」という意味ではなく、「外見を飾り立てればどんな人でもそれなりに見栄えがする」というのが正しい意味。このことわざはマイナス要素のある言葉です。褒める際に使うのは間違いですので、気を付けましょう。

また、「馬子」というのは「馬の子供」という意味でもありません。「馬子」とは馬の背に荷物や人を乗せて運搬しお金を稼ぐ人のことで、昔存在した職業の一つです。身分の低い人がこの職業に就いていたので、その「馬子」でも良い衣装を着れば立派に見えるということが由来となっています。現在では「孫」のイントネーションと同じであることがほとんどだと思いますが、本来であれば「馬子」のイントネーションは「マ」の方が強くなるのが正しいようです。

使用例:(気の置けない友人などに対して)珍しい、今日は着物なんだ!「馬子にも衣装」だね。

次のページを読む
1 2
Share: