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【基礎知識】原料・産地・種類・お酒を楽しむために知っておきたいこと

お酒の歴史は大変古いのです。およそ7000年前のものと思われる遺跡から醸造の痕跡が発見されていて、もしかしたらもっと古くから、人類は酒を飲んでいたのではないか、とまで言われています。今も昔もずっと、人はさまざまな食材を使って工夫を凝らし、さまざまなお酒を作り出してきました。今回はそんな、数千年に渡って愛され求められ続けてきたお酒の基礎知識をご紹介いたします。

ご存知ですか?ビールや焼酎、ワインの原料・産地・種類について

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お酒は大好きでよく飲むけど、原料や種類についてあまり詳しくない、という方も多いのではないでしょうか。逆に、お酒のことをいろいろ知っておくと、日々のお酒タイムがもっと楽しくなるはず。身近なお酒から、名前は聞いたことがあるけど飲んだことがないというものまで、お酒の基本情報、たくさん集めました。

#1 基本の基本:醸造酒・蒸留酒・混成酒の違い

醸造酒とは、穀物や果実などの原料の糖を酵母によってアルコール発酵させて作ったお酒です。代表的なお酒はワインやビール、日本酒。「アルコール発酵させたままの状態で飲む」ものが醸造酒で、その歴史は大変古く、紀元前7000年頃の遺跡から発掘された器から醸造の痕跡が見つかっているのだそうです。

蒸留酒は、その醸造酒を熱して蒸留させて作ったお酒。蒸留するので醸造酒よりアルコール度数が高いものが多いです。ウイスキー、ブランデー、焼酎、ウォッカ、テキーラ、ラムなどが蒸留酒(スピリット)にあたります。歴史については記録が少なく詳しいことはわかっていませんが、紀元前1300年頃の古代エジプトでは既に蒸留酒らしきものが作られていたのだそうです。

混成酒は、醸造酒や蒸留酒に糖分や果物、香味料などを加えたお酒。梅酒やリキュール、果実酒、みりんもこの仲間に含まれます。アルコール分はベースとなるお酒によって異なるので、高いものもあれば低いものも。醸造酒、蒸留酒との比較はちょっと難しいかもしれません。

#2 世界が愛したほろ苦い発酵酒:ビール

ビールは世界中で作られ飲まれているビール。基本的には、麦芽(大麦の種を発芽させたもの)をビール酵母でアルコール発酵させて作ります。

大麦麦芽を細かく粉砕し、温水とともに釜の中でどろどろの状態にしたものをろ過した汁(麦汁)にホップを追加。この液体を冷ましてビール酵母を加え、数日間寝かせて完成です。

ホップとは日本名でセイヨウカラハナソウというアサ科の植物で、中世ヨーロッパでは既にビール製造に使われていました。ツルに小さな松かさのような形の、実のようなものがいっぱいぶら下がっており、これがビールの苦味や香りのもとになります。

麦と水。基本的な材料はごくシンプル。いつ頃から作られ始めたのか定かではありませんが、メソポタミア文明において何千年も前から作られ飲まれていたそうです。

主な生産国(生産量の多い国)は、中国、アメリカ、ドイツ、ロシア、ブラジル、メキシコ、イギリスなど。日本もビール生産量が多い国として常にトップ10内に名を連ねています。

#3 最も多くの地域で飲まれているお酒:ワイン

ビールと並んで、世界中で作られ飲まれているお酒として名前があがるのがワインです。

ワインは主にブドウを原料とした醸造酒。ブドウの果汁にワイン酵母を加えて20℃前後の温度で発酵。日数をかけてゆっくり不純物等を沈殿させて取り除き、熟成させて完成です。熟成期間は一般的なもので1~2年、特別なものになると10年以上じっくり寝かせることもあります。

では、赤ワインと白ワインはどのように違うのでしょうか。使っているブドウの違いもありますが、製造過程にも違いが見られます。赤ワインはブドウの皮や種も丸ごと絞って発酵させますが、白ワインは皮や種を取り除いてから果汁を搾って発酵。これによってワインの味わいに違いが生じ、合う料理も変わってきます。

ワインのもとになるブドウは、生食用のブドウと異なり、タンニンという成分が多くて酸味が強いもの。粒も少し小さくて、そのままではお世辞にも美味しいとはいえません。でもこのタンニンが、ワインの熟成に欠かせない存在なのです。

ワインの歴史も数千年前から、メソポタミア文明の頃には既に醸造技術が完成していました。おそらく始めは、地面に落ちたブドウの実が発酵して偶然できたものではないかと考えられています。

ワインの産地は世界中に点在。中でもフランスは世界の生産量のおよそ2割を占めるワイン大国です。他にもイタリア、ドイツ、スペイン、アメリカ、チリ、アルゼンチンなどが知られています。

#4 中南米産の情熱の蒸留酒:テキーラ

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テキーラとはメキシコ産の蒸留酒。メキシコ中西部ハリスコ州にあるテキーラという街にちなんで名づけられており、周辺の醸造所や農園などが「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」という名称で世界文化遺産にも登録されています。
何でできているのかというと、リュウゼツラン(竜舌蘭・アガベ)という肉厚の大きな葉を持った植物が原料。この植物の茎には大量のデンプンが蓄えられており、それを搾って出た汁を発酵・蒸留させて作ります。

メキシコでは1500年以上前から、この植物の汁を使ったお酒が作られていたようなのですが、本格的な製造は16世紀以降。大航海時代にヨーロッパの国々による中南米の植民地化が進み、メキシコにも蒸留技術が持ち込まれたことから、大々的に製造されるようになりました。

アルコール度数は40度~50度とかなり高め。本場では小さめのグラスに入れてストレートで飲むことが多いようですが、カクテルの材料としても人気があります。そのまま飲むときは、塩とライムを添えてさわやかさをプラス。くれぐれも飲み過ぎにはご注意ください。

#5 サトウキビのしぼり汁で造る蒸留酒:ラム

ラム酒とは、サトウキビを原料とする蒸留酒です。サトウキビの搾り汁を煮詰めて作った糖蜜を発酵・蒸留したお酒で、ジン、ウォッカ、テキーラとともに「4大スピリッツ」としても知られています。

味はほんのり甘くて濃厚。そのまま飲んだり、カクテルのベースとなる他、お菓子や料理の風味づけに使用されることも。女性に人気のダイキリや、ミントの葉とライムが印象的なカクテル・モヒートや、青い色が印象的なブルーハワイもジンベースのカクテルです。

ラムは製法によって色や香りが異なり、無色透明なホワイトラムや、カラメルのような色をしたゴールドラムなど、様々な種類が存在します。

原産地はカリブ海の島々と言われていますが、もともとここにはサトウキビは自生していませんでした。15世紀末にヨーロッパ人がサトウキビを持ち込んだことで、広く栽培されるようになったのだそうです。いつ頃からラム酒が作られるようになったか詳しい記録は残っていませんが、17世紀頃にはラム酒作りが行われていたと考えられています。

#6 洗練された都会派の蒸留酒:ジン

ジンは大麦やライ麦、じゃがいもなどを原料とした蒸留酒です。

アルコール度数は40~50度とやはり高め。ストレートで楽しむことも多いですが、マティーニやギムレット、ジントニックなど、おしゃれなカクテルのベースとなることでも知られています。

ジンの特徴はキリッとした味と香り。ハーブ系の香料やスパイスを使って香りづけをしてあるため、ストレートで飲む際には好みが分かれるお酒でもあります。

香りづけに欠かせないのがジュニパーベリー(セイヨウネズという樹木の球果が一般的)。ジュニパーベリーが短くなってジンという名前が付けられたとも言われています。

原産国はヨーロッパ。いつ頃から製造され始めたのか確かなことはわかりませんが、17世紀半ばのオランダで醸造技術が確立したのだそうです。はじめのうちは薬用酒(熱病対策)として飲まれており、後に一般用に広まっていきました。

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